訪問着とはどんな着物?訪問着の特徴や着用シーンなどを詳しくご紹介

訪問着とはどんな着物?訪問着の特徴や着用シーンなどを詳しくご紹介

ライターのnabexです。訪問着という着物は、日本における女性専用の着物のひとつです。

着物にはいろいろな種類があり、着用する場所なども決められていますが、訪問着とは具体的にどんなものになるのでしょうか。

ここで訪問着について徹底的に説明してみます。

着物の訪問着とは

着物の訪問着とは

着物のなかの、「訪問着」というものは、日本における女性の正装のひとつです。背中や両袖などに家紋を入れるのが当初のならわしでしたが、これは廃れていって紋が入っていないことも多くなっています。

訪問着の特徴は、「絵羽」と言う模様づけがされていることです。

これは、生地を裁断してから、仕立てた時におかしくならないような絵を描き、また解いて染色の作業をするというもので、柄は帯の上下にもあり、すべてが縫い目を通してつながっているのが特徴です。

これが、「付け下げ」との最も大きな違いになります。付け下げは柄がつながらないのが特徴です。

ちなみに、「和服」と「着物」は言葉的に混同しやすいものがありますが、「和服」とは明治以降に海外から「洋服」が入ってきたことで、これに対するために着物を「和服」としたことからつけられています。

訪問着と「色留袖」の違いは?

訪問着と「色留袖」の違いは?

日常のシーンで活躍するような着物は色留袖や訪問着ですが、この違いがあることをご存知でしょうか?ここでそれらを使い分けをするため、色留袖や訪問着の基本を学んで、その違いを知ってくださいね!

色留袖は訪問着と似ているところがあり、初心者には分かりにくいかもしれませんが、実は見た目に違いがあります。

色留袖は黒色以外の地の色となり 袖にはおめでたい柄をあしらっているのがポイントです。

訪問着との見分けるポイントは、上半身が無地・袖にだけ模様が入っているのが色留袖です。訪問着は肩から裾にかけて模様が描かれています。

「黒留袖」とともにおめでたい席で使われる、黒色以外の色のものが色留袖になります。

昔は既婚女性だけの正装でしたが、今では未婚や既婚を問わず使われています。多くの地色と豪華な模様があるため礼装~準礼装まで使える範囲が広いため重宝されています。

留袖や訪問着にある着物の「紋」とは?

留袖や訪問着にある着物の「紋」とは?

着物の「紋」について詳しく説明します

ここですこし横道にそれる感じで、訪問着でも付いていることがある「紋」について考えて見ましょう。

着物の「紋」とは礼装の留袖・喪服に付ける紋。家紋のことです。

これはつまり自分の家系を示すものですが、現在では自分の家の家紋についてはなにも知らないという人も多いのではないでしょうか?

家紋というのは各家に代々伝わる紋章であり、つまり、「家のロゴマーク」のようなものといえるでしょう。家紋の起源は諸説ありますが、平安時代、公家が使っていた牛車には「車紋」という紋様が施されていたことが起源とされています。

家紋は江戸時代以前の武家社会で、その人の素性・系列を知るために重要な役割を持っていました。武士は家紋が入ったものを身に付けて、その威厳を誇示していたとされています。

これが明治時代となると、「紋付袴の黒紋入り」が一般的になったため、各家でも必要になりました。ここで庶民は、家紋を自由に決めたとされています。

家紋にもさまざまな種類があります。「植物紋」「動物紋」「文様紋」などがあります。中でも1番多いのは花・葉をモチーフにしている「植物紋」です。これは、農耕民族の日本人ならではといえるかもしれません。

最近ではインターネットがすごく便利になっていますね?
自分の知らないことをネットで検索すると、ほとんどのことを調べることができるので利用している人も多いでしょう。

実は、ネットを使って家紋の種類等を検索すると、家紋の一覧サイトが出てきてここで調べられるので、自分の家紋について知らなかった人、ぜひ1度この機会にこのサイトなどで調べてみると良いと思います。

色留袖や訪問着における紋の数

色留袖における紋の数

色留袖の格式は、紋の数によって変わります。

「五つ紋」が付いた色留袖は黒留袖と同じ格式の「第一礼装」になり、「三つ紋」「一つ紋」は略礼装というものになります。

つまり、紋が多いほど格の位が上がることになりますが、今ではあえて三つ紋や一つ紋を訪問着のように着ることも増えているようです。

形を白色に染め抜くものである「日向紋」と、紋の輪郭を描いた「陰紋」があって、ポピュラーなものは地色を染め抜いた「染め抜き」や、色を染めた「摺り込み」、刺繍の「縫い」という3つの種類の技法を持っています。

五つ紋の色留袖は、例えば親族の披露宴・授賞式などの おめでたい席にふさわしい着物です。

三つ紋・一つ紋は、ゲストで呼ばれた結婚披露宴やパーティーに着用するのがふさわしいでしょう。

柔らかさを持つ色を活かせるのが色留袖ならではの特徴で、明るめの緑や薄いピンクなど、女性らしさが引き立つ色はやさしさ・柔らかさが表現されており、その場を華やかにすることができます。

色留袖の小物についてですが、普通は重厚感ある金地・銀地の錦織・唐織製の袋帯が基本的となっています。

五つ紋、三つ紋付きならば小物は黒留袖のルールに準じ、帯揚げや帯締めを白、草履やハンドバッグは礼装用の金や銀に、一つ紋付きであれば、結婚式などに着るときは白や金、銀を多用するとよいでしょう。

訪問着でも紋があれば格式が色留袖と同じになります。

着物の訪問着についての特徴

 

留袖の次に格が高いのが訪問着です。訪問着はおしゃれな要素も持っている着物で、絵羽模様という胸・袖の部分に通して模様が入っているのが特徴になります。

胸元の柄があるかないかで色留袖と違いを見分けることができます。気品がある訪問着は紋をつけることによって準礼装になり、紋をつけなければカジュアルなものになり、柄の模様は古典的模様からモダンなものまで多種多様にあります。

訪問着は若い人から年配の方まで多くの年齢層が着用できるのが特徴です。

訪問着で合わせる小物

訪問着で合わせる小物について

訪問着の小物は色留袖と同じで 基本的には袋帯を合わせます。

半襟では必ず白で、フォーマルをより装うなら伊達襟を重ねるのもよいでしょう。

パーティー等で着用するときは、訪問着色の一色を使いコーディネートするのも面白いですね。

合わせるバッグではビーズ・エナメルなどの小さいタイプがおすすめとなります。

訪問着を着用するおすすめシーン

訪問着を着用するおすすめシーン

訪問着を着用するおすすめシーンについてご紹介しましょう。

訪問着は留袖~小紋の中間にある、お出かけ用の着物として誕生しました。そのため色柄や紋によって正装から略装まで多くのシーンで使うことができます。

様々な式典に

訪問着を着用するシーンで最もポピュラーなのが結婚式や披露宴です。新郎新婦の親族の人なら留袖や振袖が使われるかもしれませんが、遠い親戚やゲストとして招かれた友人や同僚などの結婚式なら訪問着がぴったりになります。

紋無しの訪問着でも良いですが、既婚者の人・スピーチなどで壇上に上がる人の場合は紋がある訪問着を着ることでフォーマル感を一層出すことができます。

ただ、地方によって風習が違うことがあるので結婚式で着物を来たい人はそのあたりを確認しておくと良いでしょう。

お宮参りや七五三といったシーンでも訪問着が着用できます。元々は黒留袖が使われることが多かったお宮参りや七五三ですが、現在では訪問着を着用する人も多くなっているようです。

このシーンでは上品な色合いや古典柄を選ぶようにして礼装にふさわしいフォーマルな帯・足旅と合わせることで、お子さんの節目としてふさわしい装いにできます。

入学式や卒業式でも訪問着が使えます。これは結婚式についでポピュラーな訪問着の着用シーンです。これも落ち着いた礼装らしい色柄を選んで式辞にあったコーディネートをします。半襟の色はカラーの襟にすると 結婚式よりも難くない着こなしにできます。

ただ、入学式卒業式というものは子供が主役になりますので、主張しすぎない上品な柄を選択するのが基本のマナーです。

カジュアルなシーンにも

訪問着はお茶会などでも使えます。この時は一つ紋が入った古典的で控えめな訪問着を選ぶと良いでしょう。

その他にも、干渉劇やお食事会、祝賀会などでも使えます。柄がない明るめの色柄の訪問着が、知人への訪問・同窓会などのカジュアルシーンでも使えます。

コンサート・パーティーでも着用することができます最近では人気となった袖の訪問着でも略礼装ではぴったりです。

お茶会や式事と違って、このようなシーンではちょっとした個性的な着こなしなども許されているので、柄付きの物を選んでコーディネートを楽しむことができるのもポイントです。

まとめ

訪問着の種類やシーン別の着用方法についてお届けしました。

このように、訪問着は改まった場所でなくても着ることができるのが魅力といえるでしょう。

友達との食事会などでは、自分で考えたコーディネートを楽しむこともできますね。

潜在的に現在の日本人女性の半数以上が着てみたいと思っているという着物、機会があればぜひ1度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?


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