着物の柄の種類

着物の柄の種類のいろいろ。シーンに合わせて好みの柄を選びましょう

現代社会では洋服が主流で、着物は結婚式やお祭り、成人式くらいでしか見かけることはなくなってしましました。

ですがだからこそ、いざ着るとなったらできる限りこだわりたいですよね。

特に柄なんかは様々な種類がありますから、選び方一つで印象もガラリと変わってしまいます。

そこでこの記事では、着物に描かれる柄の種類を紹介したいと思います。

着物の柄の種類①:吉祥文様

着物の柄の種類①:吉祥文様

まず押さえておきたいのは吉祥文様です。要するに縁起のいい柄のことで、鶴や松竹梅のような縁起ものが図柄として着物に用いられています。

そんな図柄ですから多くの着物で採用されており、着物選びの際には多くの種類の中から選ぶことができるかと思います。

では具体的にどのようなものがこの「吉祥文様」に当たるのかというと、先述した「鶴」や「松竹梅」、「扇」や「熨斗」などがこれに当たり、「雲」の文様なども「吉祥文様」なのだそうです。

また変わったところでは「庶民の宝尽し」といものがあり、これには熊手や小槌、鶴といった縁起物を一面に描かれています。

着物の柄の種類②:有職文様

着物の柄の種類②:有職文様

「有職文様」は、元は唐から日本に伝来したもので、家格や位階、伝統などに応じて着物につけられた文様でした。

もちろん現在はそんなことは気にせず誰でも好きなものを着ることができますが、少なくとも歴史や伝統のある文様であることはよくお分かりいただけると思います。

具体的な柄の種類としては「雲鶴」「立涌」「幸菱」などがあり、いずれも図案化されたシンプルな柄です。

着物の柄の種類③:花が描かれた柄

着物の柄の種類③:花が描かれた柄

上記のような、柄自体に伝統的な意味がある柄以外にも、着物の柄には様々な種類のものが存在しています。

その中でも特に多いのは花の柄です。見た目の美しさや多彩な色などが多くの人に支持されているのでしょうか。

それでは具体的にどのような柄があるかと言うと、例えば桜や梅といった人気の花はもちろん、桔梗や菊などもよく使用されています。

また花を図案化した柄も多く、本と花が描かれた「本の花」や花を丸くデフォルメして描いた「花丸」などの種類が存在しています。

ところで、着物の柄に描かれる花は日本の花だけだと思われているかもしませんが、実は海外の花を描いた着物も存在しています。

これは別に最近になって始まったものではなく、明治時代には「洋花文」などと呼ばれ、バラやカーネーションなどが描かれた柄の着物が着られはじめました。

着物の柄の種類④:生き物

着物の柄の種類④:生き物

着物の柄の中には生き物が描かれた種類のものも存在しています。着物の柄の中に生き生きと描かれた生き物たちを見ていると、見ている方も楽しくなってきますね。

例としては、可憐な生き物の代表格である蝶を描いた「蝶文」や、「福良雀」として図案化もされている「雀文」などが挙げられます。

また、現代の私たちの感覚からすると変に思われるかもしれませんが、コウモリを柄にした「蝙蝠文」という着物も存在しています。

これは中国においてはコウモリが縁起の良い生き物であり、それが日本にも伝わったことに由来するそうです。

着物の柄の種類⑤:風景

着物の柄の種類⑤:風景

着物の柄には風景さえ描かれることがあります。着物を1枚のキャンバスにして、そこに自然の景色や人の暮らす家々が描かれているのです。

具体的な例としては「月」などは想像がしやすいのではないでしょうか。

他にも「名所旧跡文」と呼ばれる「富士山」が描かれていたり、「東海道五十三次」を写し取られたりしたものもあります。

着物の柄の種類⑥:文芸の柄

着物の柄の種類⑥:文芸の柄

着物と文芸に何の関係があるのかと思われるかもしれませんが、文芸、つまり物語のワンシーンを切り取って柄にすることは昔から行われてきました。

例としては「源氏物語」の各帖の風景を描いたものや、「伊勢物語」をテーマにして描かれたものが存在しており、同じ風景を描いたものであっても、先述した「風景の柄」とは随分趣が違います。

着物の柄の種類⑦:幾何学文様

着物の柄の種類⑦:幾何学文様

着物の柄というのは、何も実在のものをモチーフにしたり図案化した種類のものばかりではありません。

私たちが普段着ている洋服に、ストライブや水玉といった幾何学模様があるように、着物にも幾何学文様が用いられているのです。

例えば、直線を無数に刻んでいった「網代文」や、卍の文字を大量につなげていったような模様である「卍繋ぎ文」などはそのわかりやすい例でしょう。

他にも縞や格子が用いられた着物や、菱形が用いられた着物もあり、バリエーションを選ぶことができる柄だとも言えます。

 

こちらのページも着物の柄の意味や種類について説明していますので、着物を着る機会があり、どんな柄を選ぶか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

まとめ

着物の柄の種類をザッと並べさせていただきましたが、着物の種類について理解を深めることができたでしょうか。

着物の種類、というのは柄の種類に一応の分類を当てはめただけのものですから、実際に着物を買いに行くと、現代の感覚に合わせた斬新な柄なども多くあるかと思います。

ですが今や着物は普段着としてではなく、特別な機会で着る正装として着る場合の方が遥かに多いですから、この記事で紹介したような比較的フォーマルな柄を抑えておけば、いざという時に迷わずに済むかもしれませんよ。


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