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着物の「袷(あわせ)」とは?袷の特徴と着る季節を知り着物を楽しむ

着物にはいくつかの分類があり、「袷」「単衣」「薄物」という分類もその一つです。

しかし、なんとなくは知っていても、これらの用語がどんな着物を指すのか、そしてどういう時に着ればいいのかという所までは知らないという人が多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、この中でも「袷(あわせ)」を中心にこれらの違いについて解説していきたいと思います。

袷(あわせ)はどんな着物なのか

袷(あわせ)はどんな着物なのか

それでは早速解説して行きましょう。ひと言で言ってしまえば、袷とは「涼しい時に着る着物」です。

どういうことかと言いますと、袷は比較的厚い布地の着物なのです。冒頭で袷と別の分類として挙げた「薄物」という着物と反対なんですね。

ですから当然、他の着物に比べて寒さを防ぎやすく、そのため冬や春先、秋の暮れなどには大抵の人は袷を着ています。

もちろん、暑さ寒さの感じ方は人それぞれですから、周りが薄物を来ている中で「袷」を着るということもありえます。ですから、あくまで大抵の場合は、です。

さてここまで読んでくださった方なら「あわせ」、という言葉からなんとなく想像されているかもしれませんが、袷は二重に合わさった生地を用いた着物、つまり裏地のある着物のことをさす言葉なのです。

「袷」以外の着物、単衣・薄物を着る季節

「単衣」「薄物」と比べた「袷」

しかし、これだけではイマイチ想像がつきにくいかもしれません。

そこで、「袷」とは違う着物として分類されている「単衣」と「薄物」の特徴を解説し、それと対比することで「袷」の特徴をより理解していただこうと思います。

「単衣」

まず「単衣」ですが、これは「ひとえ」という読みの通り、生地に裏地がない一重の生地の着物です。

「袷」が裏地のある二重の着物なわけですから、実に分かりやすい区別ですね。

そして「袷」に比べて生地が薄い着物なので、「袷」に比べれば寒さを防ぐ性能はあまりありません。

逆に「袷」と比べれば涼やかな服装ですので、「袷」を着るには暖かい、春先や晩秋などによく着られる着物です。

「薄物」

次に「薄物」ですが、これはもう説明するまでもなく名前を見れば分かりますよね。

「薄物」は文字通り薄い着物です。どれくらい薄いかというと、生地がうっすらと透けるくらいの薄さです。

そのため生地が二重の「袷」はもちろん、「袷」よりも涼やかな「単衣」よりも風通しが良いため、「単衣」が着ていられないほど暑い夏などに好んで着られます。

「袷」「単衣」「薄物」をどう選ぶか

「袷」「単衣」「薄物」をどう選ぶか

ここまでの説明から、もうお分かりいただけていると思いますが、「袷」「単衣」「薄物」の使い分けは基本的に季節によって行います。

大雑把にいえば、暑い夏は「薄物」寒い冬は「袷」、どちらを着るにも半端な季節には「単衣」といったところでしょうか。

もちろんこれは大まかな目安であって、必ずしも季節に従わなくてはならないというものではありません。

クーラーのガンガン効いた部屋で長時間過ごすのなら、真夏でも「袷」着ることはあるでしょうし、逆に暖房が効いていれば冬でも「単衣」着ることもあるでしょう。

このように、季節などに縛られないでその時の気候、出先の温度などを適宜判断して、「袷」「単衣」「薄物」を使い分けてください。

和服は、近年あまり着なくなったとはいえ服には違いありませんから、選び方は洋服の場合とあまり変わらないと思えば、そう難しくはないはずです。

一応古い決まり事も存在している

一応古い決まり事も存在している

先述したように、和服は服ですから気候などによって自分の判断で選ぶべきですが、衣替えの時期というのが昔は決まっていて、現代でもフォーマルな場ではこれに従わなくてはならない場合があります。

具体的には、「袷」が10月〜5月、「単衣」が6月と9月、「薄物」が7月と8月というのが決まりだったそうです。

とはいえ現代は昔とは気候も随分違い、6月でも30度を超える日があったりもします。

そんな日に頑張って「単衣」を着というのも酷な話です。もちろん、就活生が8月の炎天下にスーツを着て歩き回らなくてはならないように、必要に応じて衣替えの季節に従わなくてはならない日もあるでしょう。

しかし、そういう目的がない限りは、自分の健康に気を使いながら快適に過ごせる服選びをしていきたいものですね。

まとめ

着物について語るにはあまりにも短い記事ではありますが、「袷」や「単衣」、「薄物」についてお分かりいただけたでしょうか。

着物を着る機会というのは、自分から積極的に着ようとしない限りはなかなかやってこないもので、いざ着よう、着なくてはと思うと、その種類や区分の多さに戸惑ってしまうかもしれません。

しかし、和服選びはそれほど堅苦しいものではありません。特にフォーマルな場以外で和服を着るような場合には、洋服を選ぶように自分の感性に従ってもいいのです。

ですから、この「袷」「単衣」「薄物」も、単に服の厚さを表す用語だと考えて、気楽に選んでみるのもいいかもしれませんよ。


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